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小学校受験について考えてみた(6)

これまでいろいろ書いてきたことを整理してみる。

小学校受験の目的】
うちの子(女子)の遺伝的ポテンシャルを十分に発揮できるような環境を用意するため、共学ではなく女子校になるべく早いタイミングで入れたいから。

【なぜ小学校受験なのか】
中学受験に比べれば倍率は高くなく、それほど負荷をかけなくても合格できそうなところもあるから。要はリーズナブルだからということ。

【なぜ中学受験ではダメか】
首都圏の中学受験環境は加熱しているとしかいいようがない状況にあり、こどもに望ましくない負荷をかけてしまうリスクがあるから。

【なぜ高校受験ではダメか】
ダメではないが、中学受験の波に飲まれてしまわないか自信が持てないから。大学合格ということだけを考えるなら、勉強を始めるのは高校からでも十分(私の実体験による)。

【戦略の概要】
こどもにとって負荷がかかりすぎない範囲で入試の対策をする。そもそも、うちの家庭(共働き)が入学希望の小学校から承認されるかどうかも大きな問題なので、こどもの試験対策に負荷をかけすぎてもしょうがない。要は「自然体」で臨むということ。

リスクヘッジ
ダメだったら基本的には高校受験を想定して準備を進めるが、「女子校に早いタイミングで入れる」という目的を達成するために女子中学校の受験も睨みながら検討する。

 

調べてみたところ、私が中学生だった頃も都市圏の中学受験人口は3~4万人いたようだ。テレビのクイズ番組「平成教育委員会」でもよく中学入試の問題が出題されていた記憶がある。
その人たちは、中学校入学時点での学力は間違いなく私より高かったはずである。その後も、私立中学校で私のいた田舎の公立中なんかより遙かにレベルの高い教育を受けてきたはずだ。
しかし、少なく見積もってもそのうちの2~3万人は、高校二年生から大学受験の勉強を始めた私(塾は一切行っておらず、模試での利用のみ)に1年ほどの間で学力を追い抜かれてしまったといわざるを得ない。中高一貫私立や学習塾の効果はその程度であると認識しておくべきであり、過度に拘る必要はないだろう。

知能や学力についての遺伝的影響は50%~70%程度で、環境の影響は10%前後であるようだ。なのでそもそも環境にそんなに拘ってコストをかけても仕方がなく、遺伝的なポテンシャルを抑制してしまわないように(たとえば、こどもを家の中に閉じ込めて一切の教育を与えなければ当然遺伝的ポテンシャルも潰してしまうだろう)だけ気をつけておけばよいと思っている。そういう意味で、日本の公教育には信頼を置いているのだけれども、やはり学級崩壊がどうのとか、教師の質がどうのとか、公立は荒れている云々とかを聞いてしまうと、まさにその「遺伝的ポテンシャルを潰してしまうような環境」にハマってしまうのではないかと不安になるのは仕方ないのかなと思う。

また、女性についてはちょっと恐ろしいデータもあり、日本の男性の収入の50%くらいは遺伝的影響といえる一方、日本の女性の収入は遺伝的影響が0%だそうなのだ。これは、男性はおそらくは遺伝的に知能や学歴が高ければなんだかんだで高い収入を得られている一方、女性は知能や学歴と収入がリンクしていない可能性があるというかなり恐ろしいデータだ。もちろん働いている女性に限って調査するとか細かく見れば違う可能性もあるので短絡的に結論を出すことはできないが、女の子に関しては「まあなるようになるさ」という楽観視ができない可能性があるということは注意しておきたい。
ジェンダーギャップについて頭では理解しているつもりでも、こういうデータでギャップの存在の可能性を示されるとやはり男である自分では実感できない障壁もあるのだろうなと考えさせられた。(続く)

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遺伝的影響についての話はこちらの本で勉強しました。なかなかショッキングなデータが多いものの、本当にショッキングなのはこういったことが公的に認知されていないため、遺伝的な差異がそのまま経済的差異・社会的差異として容認されてしまっている(結果が出ないのは努力が足りないのだから本人の責任だ、という自己責任論に帰着してしまう)ことだという筆者の意見に賛同します。


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